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2006.08.31 オールナイト
終わらない 夜
絶え間ない 音

疲れを払う 体
眠気が襲う 頭

空は 深く明るく
海は 蒼く濃く

君と 肩を寄せ
私と 星を見て

やたら 暑かった
止まない 雨もあった

たくさん 笑った
こらえず 涙もあった


数え切れる あの夏の夜
数え過ごす この夏の夜

変わらない 遠い空 
変わりゆく 夢の続き
生まれた記憶は なにもない

2歳で聞けば 覚えてるとか

聞かれたことも なかったような

祝った記憶は あまりない

たぶんいろいろ あったけど

あたり前に なってたような


今 ここにいるわたし

忘れていたのに 言葉が届く

心に響いた おめでとう

散らばる友から おめでとう


たくさんもらった ありがとう

笑顔になれた ありがとう

母に一番 ありがとう
楽しみは 永く噛めるけど
喜びは 味が続かない
甘いガムのように

哀しみは 淡く色を残すけど
怒りは 痛みが続かない
水着の痕のように

抱えてゆくもの 一瞬のもの
どれも愛しく
自分で選び
今を彩り
言葉が生まれる

それがわたしの 夢色言葉
2006.08.29 もうなにも
もう 返ってこないのに
声を求めてきた
もう 写らないのに
形を探してきた

もう 忘れ去られた景色の中
あなたが輝くのは
もう 誰かの わたしの
心の中だけ

もう 時間を戻せない今
あなたに望むのは
もう ゆっくり 静かに
休んでいいよ

そして 別の未来を手にしたら
どこかで微笑んで

あなたの光をこれからも
灯す心たちに
2006.08.28 迷える蔓
尖がった陽射しと
熱を冷ます水
それだけで
夏を生きている

増える葉っぱと
高く伸ばす蔓
それだけで
実をつけない

支えを越えた蔓
明るい方へ
吹かれる方へ
どこへ行こうか
迷い中
2006.08.27 最後の花火
大勢の行く人たちを
追い越し 追い越され
やがて花火の上がる土手を
目指して進む

小さなうちわ
くすぐる匂い
氷と泳ぐボトル
想い想いの待ち時間

色とりどり 形とりどり
突然 明るく咲いた夜空に
一斉の笑顔

なにを 想うのだろう
なにも 想わないだろう
なにか 想うことがあるのなら

ただ キラキラと
迫る色の力強さ
ただ 美しく
開いては落ちる儚さ
2006.08.26 さようなら
さよなら
昨日の夢が醒めたら

さよなら
重い鍵を閉めて

さよなら
人波に紛れる

さよなら
次の電車が来たら

さよなら
傾く紅い陽を眺めて

さよなら
自分に手を振ろう

さよなら さようなら
また 明日の駅で
2006.08.25 言葉は心
たとえば
水辺に休む白鳥の翼
奪ったところで
飛べないだろうに
術を知らなければ
ただの飾り

たとえば
可愛く眠る子供の夢
奪ったところで
代われないだろうに
過ぎた季節ならば
ただの幻

たとえば
心を象る誰かの言葉
奪ったところで
新しくないだろうに
写すだけならば
ただの文字
2006.08.24 夢の地図
どれほどの 大きさだろう
間違えても 消せなくて
思い込みも 色を塗り
描いてきた

どこまで 続くのだろう
あっちは 行き止まり
こっちは 形を変え
広がってゆく

一方通行 夢の地図
駐車禁止 夢の地図

小さく折りたたみ
取り出しては 今日を描く
あの日を明日へ繋げたくて

夢はまだ 終わらない
地図はまだ 燃やせない
2006.08.23 悪くない一日
映画に行ったら満員で
今日は見るのを諦めた
だけど 好きなラーメンを
たまには二人でいいじゃない

一時間ならタダなのに
駐車券が見当たらない
だけど 困って話したら
親切な人が居たじゃない

クーラーつけて走っても
夏の陽射しは容赦ない
だけど 空は青くって
ちょっとドライブ気分じゃない

たいしたことをしないまま
いつものように日が暮れる
だけど 心はのんびりと
明日のチカラになるじゃない
2006.08.22 雷一過
じぐざぐにピカピカと

一瞬おいてガラガラと

騒がしく通り過ぎた

雷たち

次から次にドキドキと

ほっとしてはヒヤヒヤと

耳を防いで寄り添った

わたしたち

今また 穏やかな夕暮れに

セミの声と 君の笑顔
求めていた

どんなに心を傾けても
真夏の体のように
乾いていくばかり

どんなにそっと掴んでも
灼熱の大地のように
ひび割れるばかり

たくさん いらない
他には いらない

あなたの掌ですくう
わずかな水が

欲しかった
2006.08.21 ひこうき雲
遥か高く 進む軌跡
東から 西から
いくつも通り過ぎて

白くまっすぐ伸び
線路のように
遠い町まで

ほどなく風に吹かれ
鱗のように
ほどけゆく

やがて力を抜き
なにもなかったように
紅く 蒼く

誰かを乗せ
想いにも似た
ひこうき雲
2006.08.20 秋に憧れて
夏 真っ盛り
素麺の氷が恋しくて
スイカの赤が涼しげで

夏 真っ只中
始まりはわからなくて
短さは感じていて

だけど店には
すでに早熟な秋の味
見た目は緑
甘さは薄く
わかっていても 手を伸ばす

きっと それは
秋への憧れ
なにかしなくても
四季が巡る幸せ
2006.08.19 浜辺に
浜に描いた絵は 砂の色

誰かの目にも 砂の色

わたしの頭だけ 鮮やかな色


浜に書いた文字は 波の下

誰かの目にも 波の下

わたしの心だけ 残る言葉


浜に求めた夢は 潮風の中

誰かの目にも 潮風の中

わたしの手だけ 追いかける
2006.08.18 向日葵畑
誰もいない

見えるのは
水彩絵の具のような空と
1本づつの緑が見える山

そして 一面の向日葵
みんな 太陽に向かってる

眩しくて
わたしはまっすぐ見れないけど
みんな 太陽に向かってる

花びらを鮮やかに 落とすことなく

風に揺らいでも 倒れることなく

誰かいた

頭を越える 向日葵の間
焼けた笑顔で 見上げる君
2006.08.17 汗ニハマケズ
拭っても 噴き出す
絶え間ない汗
顔は火照り
髪は滴り
Tシャツは暗い色に

もう少しがんばったら
水を浴びよう
それまで汗よ
どんどん出てけ

冷たいシャワーは 気持ちいい
乾いたタオルは 気持ちいい

夏の暑さも 枯れない汗も
気持ちいいに繋がって
2006.08.16 僕らの自然
本物と言うけれど

海や波
山や木
セミの抜け殻
夏の色

僕らが見てるものは
本物じゃないの?

違うと言うけれど

空の青
風の匂い
生き物の儚さ
四季の移ろい

僕らが感じてるものは
間違いなの?

もし 偽物を嘆くなら
なぜ守ってこなかった
もし 偽物を嘆くなら
百の思い出話より本物を見せてよ

もし まがいものだとしても
これしか知れない
もし まがいものだとしても
これが僕たちの自然

僕らに
今以上の自然なんて
作れない
2006.08.15 トンネル
迷い込んでしまった
トンネルの中
暗くて なにも見えない
手探りで進めば
時に 歩幅を狭くする
だけど これ以上迷わない
一番の近道

決めてしまった
トンネルの外
明るく 陽の射す山道
気持ちよく進めば
時に 想いは反れてゆく
だけど 無数に選べる
果てしない遠回り

トンネルを走れるのなら
山道が楽しいのなら
もう 答えは出ている

光を浴びたくなったら
太陽が眩しすぎたら
急ぐが 戻るか
どちらも自由
許すのは わたし
2006.08.13 夕立
雨に 打たれた
目も開けられないほど
激しい夕立

焦って 急ぐ気持ち
ちょっとでも
濡れないまま帰りたくて
早く
乾いた部屋に戻りたくて

雨に 打たれた
プールをひっくり返したような
水煙の道

急ぐ足が ゆるやかに
1分早くても
これ以上濡れないよ
もはや
乾いた部屋は歓迎しない

きっと 偶然の出来事
ただ濡れただけのこと
2006.08.12 降るもの
空から 降ってくるもの

地に鮮やかな陽射し
雲を追いかける風

ゆっくり長く細い雨
眩いほどの稲妻

部屋を染める夕暮れの色
ハッとする月明かり

空から 降ってくるもの

それだけで いい
なにも恐れることない空を
見上げる

それより他は
なにも降ってこない空を
守りたい
あなたを思って 黙りこむ
わかってほしくて また話す
全部をぶつけちゃ いけないし
言葉にしなきゃ 伝わらない

迷って悩んで 飲み込んだ
迷って悩んで チョイスした
だけど どれも逆効果
届いた言葉は 飾りだけ


黙り通せば よかったの
なにを言っても 同じなら
もっと怒れば よかったの
どうせお互い 傷つくのなら

二度目の季節が巡るのに
もしか もしかを考えて 
中和しようとするわたし

それほど大事に 思ってた
だから 嘘のごめんねは
聞きたくないし 言えないの
2006.08.09 朝のベランダ
ベランダに セミが一匹
力尽きたように
仰向けで 動かない

葉の緑を見ただろうか
空の青を見ただろうか
ならば せめてもう一度
土へおかえり

小さな手が 持ち上げると
目を覚ましたように
高く 燃える陽射しの中へ

まだ終わらない
夏も 君の羽も

まだしばらく
思う存分 遊んでおいで
2006.08.08 心があるから
心なんて
不確かで いつも揺れている

心なんて
隣りの色で いつも変わってく

心なんて
出てくる言葉と いつも違う

もうたくさん と
守って はねつけて
だけど

心があるから
落ちることも チカラにできる

心があるから
混ざる色で 綺麗になれる

心があるから
暖かい言葉を 選んでゆける
2006.08.07 またね
もう 何年だろう
偶然の出会い

約束などなく
「またね」でよかった
それは かの地に
わたし達の場所があった頃

終わりを 恐れ
終わりを 諦め
今は 残った絆に感謝する

もう 何度だろう
訪ねてくれる友

約束などなく
「またね」とやっぱり
それは かの地に
わたし達の想いがあるから

終わりを 見ず
終わりを 考えず
先も 続く絆に引かれよう

言葉のいらない 約束の場所
なくなったけど
いつかそこで またね
2006.08.06 泡の魔法
すれすれの 洗面器
こぼれるけど ひとすくい
手のひらで作るのは
ここでしかできない 泡の実

白い柔らかさで
そっと包んでゆく
飾りをまとい
見栄で強ばった
今日の自分を剥がす 泡の実

お湯で流せば がんばった顔
刻まれたものも
染みついたものも
綺麗に思える
その瞬間が 一番好き
2006.08.06 真夏の花火
空に開く赤い花に
手を重ねた 幼い夏の夜
掴もうとして
見合わせる笑顔
田舎の 花火大会

散らばる青い星に
歓声を上げた 若い夏の夜
降ってくるようで
理由もなく笑顔
川べりの 花火大会

今は 遠く
手のひらに隠れてしまうほど
音が静かに 追いかける場所で

小さな宇宙が たくさん
真夏の夜空の下
2006.08.03 指輪
机に置けば ゴトリ
中指をつかむ 銀色の指輪

濡れないように
失くさないように

苦しくならないために
忘れないために

ひんやりしたり
同じ温度になったり

外して またつけて
無意識に触れて

見つめれば キラリ
密かに主張する 銀色の指輪

わたしを守る 銀色の指輪
2006.08.02 感じる日
髪を切って 嬉しくなった

乾いた風に 楽しくなった

映画を見て 笑顔になった

夢追う姿に 感動した

今日が いいこと続きだったから

いや そうじゃなく

わたしがそれを

感じられる日だったから
2006.08.01 抜け殻
半透明の 淡い土色
背中を割って
抜け出したばかり

コンクリートにしがみつき
力をふりしぼり
高く 羽を広げただろう
転がした殻に
未練をはせる暇もなく

それが こんな所でも
たった一つの世界
はばたく様は
短い季節を 楽しんでいる

それが どんな色でも
たった一つの空
震わす声は
まだ眠る仲間を 呼んでいる

証しなど求めず
ここに 生きるものとして