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2006.09.30
お兄ちゃん
生まれた時は すでにいて
いつ頃 認識できたのか
それはあたしの記憶外
いつもあなたは 優しくて
あたしはいつも わがままで
こっそり助けてくれたよね
誰も悪くはないけれど
沈んだ空気に覆われた
あの数年が 昨日のよう
連絡係 話題と笑い
好きに振舞う妹も
少しは役に立ったでしょ
だけど今は お兄ちゃん
お母さんの 涙の重さ
あたしもわかるようになり
必死だった あなたの気持ち
聞いてみたいと思ったり
だけどきっと お兄ちゃん
会えばそれも忘れてさ
笑って話すだけだろね
いつ頃 認識できたのか
それはあたしの記憶外
いつもあなたは 優しくて
あたしはいつも わがままで
こっそり助けてくれたよね
誰も悪くはないけれど
沈んだ空気に覆われた
あの数年が 昨日のよう
連絡係 話題と笑い
好きに振舞う妹も
少しは役に立ったでしょ
だけど今は お兄ちゃん
お母さんの 涙の重さ
あたしもわかるようになり
必死だった あなたの気持ち
聞いてみたいと思ったり
だけどきっと お兄ちゃん
会えばそれも忘れてさ
笑って話すだけだろね
2006.09.29
抜け道
たぶんこの方向
頭のアンテナが 指している
間違ってたら 戻ればいい
初めての景色が
枝分かれしていく道
次はどっちか
考えながら進む道
こんなところに 可愛い家が
名前も知らない 公園が
できたばかりの 綺麗な道や
聞き覚えがある 小学校
わたしだけの納得は
心に涼しい風を呼ぶ
太陽が 真上に来る少し前
秋空の抜け道で
頭のアンテナが 指している
間違ってたら 戻ればいい
初めての景色が
枝分かれしていく道
次はどっちか
考えながら進む道
こんなところに 可愛い家が
名前も知らない 公園が
できたばかりの 綺麗な道や
聞き覚えがある 小学校
わたしだけの納得は
心に涼しい風を呼ぶ
太陽が 真上に来る少し前
秋空の抜け道で
2006.09.28
心まかせ
毎日は 心まかせ
わくわくがたくさんの時は
やたら饒舌
すべてがそこに 繋がって
それが自分の自由だと
思ってた
毎日は 心まかせ
静かに時が過ぎていけば
やたら無口
すべてはそこと 途切れて
それが夢を失ったと
思ってた
毎日は 心まかせ
自由も夢もないようで
そこそこ笑顔
すべてはそこから 始まって
それと同化したんだと
思う
毎日は 心まかせ
想いを馳せなくても
日常にまみれても
今のわたしを 造ってる
わくわくがたくさんの時は
やたら饒舌
すべてがそこに 繋がって
それが自分の自由だと
思ってた
毎日は 心まかせ
静かに時が過ぎていけば
やたら無口
すべてはそこと 途切れて
それが夢を失ったと
思ってた
毎日は 心まかせ
自由も夢もないようで
そこそこ笑顔
すべてはそこから 始まって
それと同化したんだと
思う
毎日は 心まかせ
想いを馳せなくても
日常にまみれても
今のわたしを 造ってる
2006.09.27
アルバム
瞬間を切りとり
残してゆく写真
たった一枚の中に
忘れかけた 声やしぐさが蘇る
瞬間を残し
重ねてゆく思い出
パラパラ漫画のように
いつのまにか 変化している
瞬間を重ね
繋がってゆく今
たしかな形で
ここまでの 足跡が見える
意味は いらない
役には たたない
それでも時々
アルバムに流れる時間を 漂って
残してゆく写真
たった一枚の中に
忘れかけた 声やしぐさが蘇る
瞬間を残し
重ねてゆく思い出
パラパラ漫画のように
いつのまにか 変化している
瞬間を重ね
繋がってゆく今
たしかな形で
ここまでの 足跡が見える
意味は いらない
役には たたない
それでも時々
アルバムに流れる時間を 漂って
2006.09.26
真珠
それはそれは 綺麗なネックレス
驚くほど鮮やかな糸を
隠して 連なる
丸く白い仲間たち
そっと 虹を纏って
誰の胸をも 飾らず
思う浮かべれば
おのおのの胸に 輝いた
生まれは海にも 関わらず
雨に濡れれば
たちまち糸から すり抜けた
わたしたち
隣り合わせで並ぶ
真珠みたいだったね
ダイヤには なれなくて
気づかぬうちに
色は変わり 傷もできる
真珠だったんだね
だからこそ 暖かい光を放つ
真珠だったよね
驚くほど鮮やかな糸を
隠して 連なる
丸く白い仲間たち
そっと 虹を纏って
誰の胸をも 飾らず
思う浮かべれば
おのおのの胸に 輝いた
生まれは海にも 関わらず
雨に濡れれば
たちまち糸から すり抜けた
わたしたち
隣り合わせで並ぶ
真珠みたいだったね
ダイヤには なれなくて
気づかぬうちに
色は変わり 傷もできる
真珠だったんだね
だからこそ 暖かい光を放つ
真珠だったよね
2006.09.25
無駄な時間
数字を足し引き 40分
腕組みをして 30分
眉間に皺で 20分
ため息ついて 15分
時間は平等
楽しくなくても 時計は進む
考えなくても 答えは出てる
動かなければ 変わらない
軽い財布を押し込んだら
せめて 満ちる月を数えて
明日へ行く
腕組みをして 30分
眉間に皺で 20分
ため息ついて 15分
時間は平等
楽しくなくても 時計は進む
考えなくても 答えは出てる
動かなければ 変わらない
軽い財布を押し込んだら
せめて 満ちる月を数えて
明日へ行く
2006.09.24
運動会
青一色の空
万国旗がひらりと
鮮やかに映える 秋の一日
紅白の帽子
さっきまでの笑顔も
スタートラインでは 真剣な顔
紅白の板
足し算をしながら
歓喜と祈りで 応援の拍手
緑の屋根
ささやかなお弁当に
スパイスとなる 君の汗
赤い頬
また土埃の中へ
駆け出してゆく 小さな選手
お天気も 勝負の神様も
全てが味方
こんな運動会は 久しぶり
万国旗がひらりと
鮮やかに映える 秋の一日
紅白の帽子
さっきまでの笑顔も
スタートラインでは 真剣な顔
紅白の板
足し算をしながら
歓喜と祈りで 応援の拍手
緑の屋根
ささやかなお弁当に
スパイスとなる 君の汗
赤い頬
また土埃の中へ
駆け出してゆく 小さな選手
お天気も 勝負の神様も
全てが味方
こんな運動会は 久しぶり
2006.09.22
どうしようもない時
どうしようもない時に
浮ぶ言葉は それぞれで
なんとか一人で立てるよう
震える足に 埋めてみる
どうしようもない時に
描く景色は さまざまで
華やぐ灯りを夢見たり
過ぎた桜を 思い出す
どうしようもない時に
掴むところは ばらばらで
暖かい手を見失い
落ちた涙を 抱きしめる
どうしようもない夜は
星を眺めていましょうか
この世がそうであるように
この命さえ 奇跡なら
浮ぶ言葉は それぞれで
なんとか一人で立てるよう
震える足に 埋めてみる
どうしようもない時に
描く景色は さまざまで
華やぐ灯りを夢見たり
過ぎた桜を 思い出す
どうしようもない時に
掴むところは ばらばらで
暖かい手を見失い
落ちた涙を 抱きしめる
どうしようもない夜は
星を眺めていましょうか
この世がそうであるように
この命さえ 奇跡なら
2006.09.21
分岐点
日陰を作る高架の上を
新幹線が 過ぎてゆく
東へ 西へ
彼方を見据え
夢を追う人のように
車窓に映る景色の下を
わたしは 走ってゆく
東へ 東へ
彼方を想い
日々を描く絵の中で
線路はずっと 続いてる
道はもうすぐ 行き止まり
少し前をゆく人よ
あなたは南へ
わたしは北へ
ここでお別れ さようなら
新幹線が 過ぎてゆく
東へ 西へ
彼方を見据え
夢を追う人のように
車窓に映る景色の下を
わたしは 走ってゆく
東へ 東へ
彼方を想い
日々を描く絵の中で
線路はずっと 続いてる
道はもうすぐ 行き止まり
少し前をゆく人よ
あなたは南へ
わたしは北へ
ここでお別れ さようなら
2006.09.20
別の顔
扉の数だけ別の顔
ここを開ければ ほのかな顔で
あっちへ入れば さとり顔で
同じで違う
全部まとめて わたしの顔
どれかひとつが本物なんて
決めつけないで
全ての扉を覗こうなんて
思わないで
全部まとめて わたしの顔
あなたの顔も そうであるように
ここを開ければ ほのかな顔で
あっちへ入れば さとり顔で
同じで違う
全部まとめて わたしの顔
どれかひとつが本物なんて
決めつけないで
全ての扉を覗こうなんて
思わないで
全部まとめて わたしの顔
あなたの顔も そうであるように
2006.09.20
待ち合せ
急ごう 走ろう
あなたの待つ場所へ
空はまだ
暮れるのが名残り惜しく
濃蒼を縁どる紅
追い風に
髪をなびかせ
足を回して
急ごう 走ろう
あなたの待つ場所へ
たくさんの
明かりが灯る窓を抜け
賑やかな曲がり角
信号の先に
笑みをこぼして
手を振って
話そう 触れよう
あなたの隣りで
そして笑顔を
眺めていよう
あなたの待つ場所へ
空はまだ
暮れるのが名残り惜しく
濃蒼を縁どる紅
追い風に
髪をなびかせ
足を回して
急ごう 走ろう
あなたの待つ場所へ
たくさんの
明かりが灯る窓を抜け
賑やかな曲がり角
信号の先に
笑みをこぼして
手を振って
話そう 触れよう
あなたの隣りで
そして笑顔を
眺めていよう
2006.09.18
うつわ物語
生まれた時から持っていた
丸いガラスの器
雨が注ぎこむ
桜を浮かべる
ビー玉を入れる
器の水は 幾通りもの色で
わたしの目に映っていた
見つけた花にかけては
そこに虹を作り
少なくなっては
君が雨を降らせてくれた
いつからか
最初の色を忘れた水
いつからか
減っていくだけの水
もう器の水は 太陽に翳して
夢を見ることもできない
それでも
これはわたしの器
残り少ない水に
月を映して
丸いガラスの器
雨が注ぎこむ
桜を浮かべる
ビー玉を入れる
器の水は 幾通りもの色で
わたしの目に映っていた
見つけた花にかけては
そこに虹を作り
少なくなっては
君が雨を降らせてくれた
いつからか
最初の色を忘れた水
いつからか
減っていくだけの水
もう器の水は 太陽に翳して
夢を見ることもできない
それでも
これはわたしの器
残り少ない水に
月を映して
2006.09.18
彷徨う言葉
言い訳が 見つからなくて
心だけが 暴れている
ううん それは嘘
本当は 言葉が溢れてた
だけど 口にしてしまったら
もっと 嫌な顔が出てきそうで
こんな 攻防は虚しいよ
だから 止めてよかったの
やがて 不確かに彷徨って
言葉は 心の壁に染み融ける
心だけが 暴れている
ううん それは嘘
本当は 言葉が溢れてた
だけど 口にしてしまったら
もっと 嫌な顔が出てきそうで
こんな 攻防は虚しいよ
だから 止めてよかったの
やがて 不確かに彷徨って
言葉は 心の壁に染み融ける
2006.09.17
迫る台風
ぶ厚い雲は
寝心地悪そうな 綿の色
小さな隙間に
油絵の具のような 青い色
綺麗なふりして
不気味を隠す
追うふりして
押してくる
傘は凹んだけど
わたしは 飛ばされないわ
ペダルは重いけど
ひと足先に 帰ってやるわ
さあ こい
返す力はないくせに
よし こい
掃う術もないくせに
ふふ なぜ
台風を睨むのだろう
寝心地悪そうな 綿の色
小さな隙間に
油絵の具のような 青い色
綺麗なふりして
不気味を隠す
追うふりして
押してくる
傘は凹んだけど
わたしは 飛ばされないわ
ペダルは重いけど
ひと足先に 帰ってやるわ
さあ こい
返す力はないくせに
よし こい
掃う術もないくせに
ふふ なぜ
台風を睨むのだろう
2006.09.17
たまには無心で
ある意味 無心
向かって 呼ばれて
使い果たすほど考えて
フル回転で がんばる頭
終われば 忘れることばかり
想像力は 枯れゆく水たまり
楽しいなんて 言いがたい
献立すらも 浮かばない
だけど こんな日には
小さな窓に嵌る空が
朝と同じ帰り道が
君の居る部屋が
いつもより輝く
向かって 呼ばれて
使い果たすほど考えて
フル回転で がんばる頭
終われば 忘れることばかり
想像力は 枯れゆく水たまり
楽しいなんて 言いがたい
献立すらも 浮かばない
だけど こんな日には
小さな窓に嵌る空が
朝と同じ帰り道が
君の居る部屋が
いつもより輝く
2006.09.16
ビデオテープ
何度観たか わからない
一本のビデオテープ
集めて並べた棚の中で
とりわけ お気に入りだった
今は観ることが できない
一本のビデオテープ
焦がれて叶わない夢の中へ
時を越え 飛んでゆけた
薄く滲む色
気紛れに失う音
不確かに閉まる箱
ずっと 鮮やかなら
ずっと 残せるなら
銀色の円盤を買ったけど
もう観なくて かまわない
一本のビデオテープ
いつでも自由な頭の中で
擦り切れず 映してくれる
一本のビデオテープ
今という未来へ
共に向かったわたしの
想いと時間が 詰まってる
たとえそれが 儚い妄想でも
一本のビデオテープ
集めて並べた棚の中で
とりわけ お気に入りだった
今は観ることが できない
一本のビデオテープ
焦がれて叶わない夢の中へ
時を越え 飛んでゆけた
薄く滲む色
気紛れに失う音
不確かに閉まる箱
ずっと 鮮やかなら
ずっと 残せるなら
銀色の円盤を買ったけど
もう観なくて かまわない
一本のビデオテープ
いつでも自由な頭の中で
擦り切れず 映してくれる
一本のビデオテープ
今という未来へ
共に向かったわたしの
想いと時間が 詰まってる
たとえそれが 儚い妄想でも
2006.09.14
ペンとダンス
つるりと光る面
桃を閉じ込めた氷みたい
コツコツ クルクル
意味もないけど 力が入り
わけもないけど 優しく滑る
頭のよさそなペン
へっぴり腰でスケートみたい
コツコツ クルクル
行きたいけど 進まず
止まりたいけど 行き過ぎる
ああ違う それじゃない
うんそうか この感じ
明日はもっと
柔らかに踊れそう
新しいもの
初めてのこと
いつもわたしを 夢中にさせる
桃を閉じ込めた氷みたい
コツコツ クルクル
意味もないけど 力が入り
わけもないけど 優しく滑る
頭のよさそなペン
へっぴり腰でスケートみたい
コツコツ クルクル
行きたいけど 進まず
止まりたいけど 行き過ぎる
ああ違う それじゃない
うんそうか この感じ
明日はもっと
柔らかに踊れそう
新しいもの
初めてのこと
いつもわたしを 夢中にさせる
2006.09.13
長袖
薄紫に
雨が降る日
匂いまで 蒸せる夏とは違う
冷たい
雨が降る日
寒いのは きっとそれのせい
静かに
雨が降る日
いつもより 早く夜が迫りそう
止まない
雨が降る日
わたしは 初めて長袖を着た
そして
思いきり 傘の雫をはらう
雨が降る日
匂いまで 蒸せる夏とは違う
冷たい
雨が降る日
寒いのは きっとそれのせい
静かに
雨が降る日
いつもより 早く夜が迫りそう
止まない
雨が降る日
わたしは 初めて長袖を着た
そして
思いきり 傘の雫をはらう
2006.09.13
罪
気づかれず
誰もが傷を受けている
小さなこと 大きなこと
それを量るのは
与えた方じゃない
人知れず
誰もが罪を犯している
些細なこと ありえないこと
それを許すのは
与えた方じゃない
もういいだろう
すぐに忘れる 与えた者と
いつまでだろう
忘れたくない 受けた者
たかが 見えない傷
されど 見えない傷
時を経て引き戻されるのは
楽になろうと逃げた者
時を経て癒されるのは
苦しくて向き合った者
深さではなく
灰になるまで背負うなら
罪は少ない方がいい
誰もが傷を受けている
小さなこと 大きなこと
それを量るのは
与えた方じゃない
人知れず
誰もが罪を犯している
些細なこと ありえないこと
それを許すのは
与えた方じゃない
もういいだろう
すぐに忘れる 与えた者と
いつまでだろう
忘れたくない 受けた者
たかが 見えない傷
されど 見えない傷
時を経て引き戻されるのは
楽になろうと逃げた者
時を経て癒されるのは
苦しくて向き合った者
深さではなく
灰になるまで背負うなら
罪は少ない方がいい
2006.09.13
春の球根
四色のチューリップ
きっと可愛いね
どの色が好きだろう
ニコニコ笑う
君と一緒に 育てたい
真っ白のかすみ草
きっといっぱいだね
どの鉢に植えよう
ヨチヨチ歩く
あの子の手に 握らせたい
赤い縁どりのユリ
きっと綺麗だね
ロリポップってどんなだろう
キラキラ輝いた
あなたの元へ 捧げたい
思い浮かべて 春の花たち
固まる心が溶けてゆく
準備して 春の球根
土の手ざわりを思い出す
今日が雲って
明日も見えない日
すこしだけ先を考える
球根が 届いたら
花が 咲いたら
きっと可愛いね
どの色が好きだろう
ニコニコ笑う
君と一緒に 育てたい
真っ白のかすみ草
きっといっぱいだね
どの鉢に植えよう
ヨチヨチ歩く
あの子の手に 握らせたい
赤い縁どりのユリ
きっと綺麗だね
ロリポップってどんなだろう
キラキラ輝いた
あなたの元へ 捧げたい
思い浮かべて 春の花たち
固まる心が溶けてゆく
準備して 春の球根
土の手ざわりを思い出す
今日が雲って
明日も見えない日
すこしだけ先を考える
球根が 届いたら
花が 咲いたら
2006.09.12
隠れたい夜
明るくしようと
スイッチを探し
切り替えてみたけれど
影を落とす色と 濁る瞬き
まるで 壊れかけの蛍光灯
目を閉じるなら
いっそ 真っ暗な方がいい
膝を抱えるより
夜に 放たれていたい
隠すことなど せずにすむよう
月も照らさないこの夜に
スイッチを探し
切り替えてみたけれど
影を落とす色と 濁る瞬き
まるで 壊れかけの蛍光灯
目を閉じるなら
いっそ 真っ暗な方がいい
膝を抱えるより
夜に 放たれていたい
隠すことなど せずにすむよう
月も照らさないこの夜に
2006.09.11
せめて洗え
せめて洗え
おいしく食べたお皿でも
いつもより 泡を立てて
止まらない 戦う言葉
泡じゃ流せないこと
わかってるのに
せめて洗え
こびりついたお鍋でも
いつもより 力を入れて
出てこない 緩む言葉
力を抜けばいいこと
知ってるのに
せめて洗え
大事にしてるグラスなら
いつもの 軟らかいスポンジで
残った澱が 気になるうちに
おいしく食べたお皿でも
いつもより 泡を立てて
止まらない 戦う言葉
泡じゃ流せないこと
わかってるのに
せめて洗え
こびりついたお鍋でも
いつもより 力を入れて
出てこない 緩む言葉
力を抜けばいいこと
知ってるのに
せめて洗え
大事にしてるグラスなら
いつもの 軟らかいスポンジで
残った澱が 気になるうちに
2006.09.09
恋はろうそく
ちろちろと 暖かい瞳
まっすぐに 上を目指す
ゆらゆらと 赤い瞳
涙の形に 燃え続く
たらりと 熱を流し
とろりと 形を変え
ぴっちりと 足元を固め
ふわりと 少しの風
軽やかに 揺れてみせる
ぶわんと 強い風
しなやかに 踊り果てる
ふっと 目を閉じておしまい
ひゅるりと 白い煙
つんと 沁みる匂い
恋は ろうそくのように
まっすぐに 上を目指す
ゆらゆらと 赤い瞳
涙の形に 燃え続く
たらりと 熱を流し
とろりと 形を変え
ぴっちりと 足元を固め
ふわりと 少しの風
軽やかに 揺れてみせる
ぶわんと 強い風
しなやかに 踊り果てる
ふっと 目を閉じておしまい
ひゅるりと 白い煙
つんと 沁みる匂い
恋は ろうそくのように
2006.09.08
気まぐれな風と
どうして走っているんだい
ここで 見つからないからよ
早く次へ
急がなくちゃ
なにか探しているのかい
掴んだら 消えるかもね
その時初めて
わかるもの
意味ないじゃないか
そうやって 生きてきたわ
瞬間の喜びと
儚さの積み重ね
急ぐことないじゃないか
季節は 流れてゆくの
見落としたら
もう二度と届かない
背中を押してあげようか
ありがたいけど 遠慮しとく
縺れる走り
わたしにちょうどいい
そうなんだ じゃあ
ふふんと笑うように
突然の 向かい風
ここで 見つからないからよ
早く次へ
急がなくちゃ
なにか探しているのかい
掴んだら 消えるかもね
その時初めて
わかるもの
意味ないじゃないか
そうやって 生きてきたわ
瞬間の喜びと
儚さの積み重ね
急ぐことないじゃないか
季節は 流れてゆくの
見落としたら
もう二度と届かない
背中を押してあげようか
ありがたいけど 遠慮しとく
縺れる走り
わたしにちょうどいい
そうなんだ じゃあ
ふふんと笑うように
突然の 向かい風
2006.09.07
眼鏡
色に 変わりはない
距離に 変わりはない
形だけが 曖昧
眼鏡を外して
薄青い小さなレンズ
わたしの目に
くっきりした世界
それで なにを見ようか
どうせ お休み
外は雨煙り
ぼやけた輪郭
雫は数え切れないし
このまま外を 見ていよう
キュッと拭いた眼鏡
かけ直して
距離に 変わりはない
形だけが 曖昧
眼鏡を外して
薄青い小さなレンズ
わたしの目に
くっきりした世界
それで なにを見ようか
どうせ お休み
外は雨煙り
ぼやけた輪郭
雫は数え切れないし
このまま外を 見ていよう
キュッと拭いた眼鏡
かけ直して
2006.09.05
秋悠
なぜだろう
同じ夕暮れではないのに
あの頃 小さな君が
歩く背中を思い出す
なぜだろう
同じ青ではないのに
あの日 わたしたちが
逸らした瞳を思い出す
なぜだろう
同じ季節ではないのに
あの時 あなたが
歌った花を思い出す
同じ夕暮れではないのに
あの頃 小さな君が
歩く背中を思い出す
なぜだろう
同じ青ではないのに
あの日 わたしたちが
逸らした瞳を思い出す
なぜだろう
同じ季節ではないのに
あの時 あなたが
歌った花を思い出す
2006.09.04
お気に入りピアス
いつも感じて いないけど
ふと触れて 気づく
また 落としちゃったみたい
小さく揺れる 丸い貝
まあまあの お気に入りピアス
なくなると 愛しい
もう諦めて 探さないけど
今日になって 見つけた
なぜか 家を出たところで
鈍く光る 3個の虹色
まあまあの お気に入りピアス
改めて見ると 可愛い
だけど
一番の お気に入りピアス
さっぱり出てこない
ふと触れて 気づく
また 落としちゃったみたい
小さく揺れる 丸い貝
まあまあの お気に入りピアス
なくなると 愛しい
もう諦めて 探さないけど
今日になって 見つけた
なぜか 家を出たところで
鈍く光る 3個の虹色
まあまあの お気に入りピアス
改めて見ると 可愛い
だけど
一番の お気に入りピアス
さっぱり出てこない
2006.09.03
来る秋に
静かだと 思ったら
いつしか
蝉の声はなく
落ち着くと 感じたら
いつしか
街の服は色濃く
帰りが遅いと 怒ったら
いつしか
沈む陽は早く
おいしそうと 想像したら
いつしか
熱い鍋が恋しく
明るいと 見上げたら
いつしか
白い月は満ちゆく
涼しいと 吹かれたら
いつしか
夏の名残りも惜しく
いつしか
蝉の声はなく
落ち着くと 感じたら
いつしか
街の服は色濃く
帰りが遅いと 怒ったら
いつしか
沈む陽は早く
おいしそうと 想像したら
いつしか
熱い鍋が恋しく
明るいと 見上げたら
いつしか
白い月は満ちゆく
涼しいと 吹かれたら
いつしか
夏の名残りも惜しく
2006.09.02
母の文字
古びたノートの裏表紙
母が書いた わたしの名前
ひらがなで 六文字
幼心に きれいと思った
いつか自分も
こんな風に書きたいと
わかりやすく 力強く
並んだ様が
一つの大きな文字のように
荷物の中に白い便箋
わたしに宛てた 母の手紙
優しく 少し読みづらく
綴られた様が
老いた毎日を物語るよう
ひらがなの名前
鮮やかに思い出す 母の文字
母が書いた わたしの名前
ひらがなで 六文字
幼心に きれいと思った
いつか自分も
こんな風に書きたいと
わかりやすく 力強く
並んだ様が
一つの大きな文字のように
荷物の中に白い便箋
わたしに宛てた 母の手紙
優しく 少し読みづらく
綴られた様が
老いた毎日を物語るよう
ひらがなの名前
鮮やかに思い出す 母の文字
2006.09.01
いってらっしゃい
ひとり またひとり
時間差で進む朝が 戻る9月
いってらっしゃい
迎えられるのは好きだけど
送られるより 送りたい
雨上がりの風が 涼しい9月
いってきます
誰も答えてくれないけど
最初に出るより 最後でいい
部屋には 外の光だけ
やれやれと穏やかな色で
わたしを送る
時間差で進む朝が 戻る9月
いってらっしゃい
迎えられるのは好きだけど
送られるより 送りたい
雨上がりの風が 涼しい9月
いってきます
誰も答えてくれないけど
最初に出るより 最後でいい
部屋には 外の光だけ
やれやれと穏やかな色で
わたしを送る
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