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2006.10.31
温もり
なにも おおげさに
感動なんてしなくていい
透き通るような 青い空だった
汗の出ない 乾いた風だった
凸凹が見えるほど 鮮やかな月だった
薄暗い道で 灯る窓があった
ただ わずかに
意識するだけでいい
綺麗だった
心地よかった
不思議だった
暖かだった
時間に 心を奪われる中
それでもあるはず
無意識の 小さな空白
せめてそこに
温もりの色を 埋めてゆけば
感動なんてしなくていい
透き通るような 青い空だった
汗の出ない 乾いた風だった
凸凹が見えるほど 鮮やかな月だった
薄暗い道で 灯る窓があった
ただ わずかに
意識するだけでいい
綺麗だった
心地よかった
不思議だった
暖かだった
時間に 心を奪われる中
それでもあるはず
無意識の 小さな空白
せめてそこに
温もりの色を 埋めてゆけば
2006.10.30
柔らかな眠り
深いルビーの液体に
頭と体が 溶けてゆく
今日こそは
思っても 逆らえない
悪いばかりじゃ なかった
忘れたいことも なかった
だからと言って
同じ日が明日も なんて
思ってやしない
ただ 柔らかくなって
眠りたい
そのすべを 今のわたしは
他に知らないだけ
頭と体が 溶けてゆく
今日こそは
思っても 逆らえない
悪いばかりじゃ なかった
忘れたいことも なかった
だからと言って
同じ日が明日も なんて
思ってやしない
ただ 柔らかくなって
眠りたい
そのすべを 今のわたしは
他に知らないだけ
2006.10.30
小さなピース
ほんの 短い時間でいい
切ないほどの紅い空に
あの人の顔が 浮んだら
ほんの 少しの心でいい
半分ほどの黄色い月に
急ぐ季節を 感じたら
ほんの 些細なことでいい
一杯ほどのぶどう酒で
終わる夜に 笑えたら
長い長い間
拾って 選んで
抱いて 捨てて
今日のわたしに 散らばる欠片
夢と呼べないピースでも
嵌る場所が きっとある
切ないほどの紅い空に
あの人の顔が 浮んだら
ほんの 少しの心でいい
半分ほどの黄色い月に
急ぐ季節を 感じたら
ほんの 些細なことでいい
一杯ほどのぶどう酒で
終わる夜に 笑えたら
長い長い間
拾って 選んで
抱いて 捨てて
今日のわたしに 散らばる欠片
夢と呼べないピースでも
嵌る場所が きっとある
2006.10.27
オルゴール
回れ オルゴール
ぜんまいがきれるまで
回れ オルゴール
メロディが流れる限り
踊れ オルゴール
乾いた青い風に 吹かれて
踊れ オルゴール
橙の月明かりに 照らされて
回れ オルゴール
音がひとつ飛んでも
回れ オルゴール
ドレスが流行り遅れでも
踊れ オルゴール
白い綿に 冷やされて
踊れ オルゴール
薄紅の花を 纏って
ぜんまいがきれるまで
回れ オルゴール
メロディが流れる限り
踊れ オルゴール
乾いた青い風に 吹かれて
踊れ オルゴール
橙の月明かりに 照らされて
回れ オルゴール
音がひとつ飛んでも
回れ オルゴール
ドレスが流行り遅れでも
踊れ オルゴール
白い綿に 冷やされて
踊れ オルゴール
薄紅の花を 纏って
2006.10.25
いつかの君とわたしへ
やがて春にも また
この歌が 響くだろうか
数を重ねるごと
嬉しさより 寂しさが
笑顔より 涙が
わたしにこみあげるだろうか
いつか旅立つ日にも また
この歌が 蘇るだろうか
時を重ねるごと
晴れやかさより 恥ずかしさが
期待より 不安が
君に押し寄せるだろうか
新しい世界へ向かえること
大きく息を吸って
誇らしく 幸せだと
君は感じてくれるだろうか
この歌が 響くだろうか
数を重ねるごと
嬉しさより 寂しさが
笑顔より 涙が
わたしにこみあげるだろうか
いつか旅立つ日にも また
この歌が 蘇るだろうか
時を重ねるごと
晴れやかさより 恥ずかしさが
期待より 不安が
君に押し寄せるだろうか
新しい世界へ向かえること
大きく息を吸って
誇らしく 幸せだと
君は感じてくれるだろうか
2006.10.24
嬉しいひと言
いつもより
綺麗だねと言われた日
もう 帰るだけなのに
嬉しくて
なにがだろう
口紅を 変えたからかな
いつもより
家で鏡を見てしまう日
なにも 変わらないのに
笑ってみたり
どこがだろう
カットを 失敗したからかな
自分じゃ とっても不満なこと
他人の目には
よく映る時もある
綺麗だねと言われた日
もう 帰るだけなのに
嬉しくて
なにがだろう
口紅を 変えたからかな
いつもより
家で鏡を見てしまう日
なにも 変わらないのに
笑ってみたり
どこがだろう
カットを 失敗したからかな
自分じゃ とっても不満なこと
他人の目には
よく映る時もある
2006.10.23
順番どおり
とりあえず買ったもので
前後のカゴは いっぱい
明日の夜
あさっての夜
その次の夜
メニューを考える
ふらふら走る県道沿いに
並んだ店から いい匂い
焼き鳥屋
カレー屋
居酒屋
メニューが浮ぶ
明日は 唐揚げ
あさっては シチュー
その次は 煮物
たまにこんな決め方で
ちょっと楽しい夕飯作り
前後のカゴは いっぱい
明日の夜
あさっての夜
その次の夜
メニューを考える
ふらふら走る県道沿いに
並んだ店から いい匂い
焼き鳥屋
カレー屋
居酒屋
メニューが浮ぶ
明日は 唐揚げ
あさっては シチュー
その次は 煮物
たまにこんな決め方で
ちょっと楽しい夕飯作り
2006.10.23
金魚
それは どこにでもいる金魚
赤く 小さく
夜店の中では
きっと区別がつかないくらい
仲間たちと泳ぐ毎日
ただ金魚は 知っていた
自分とみんなの間に
微妙な水の厚さがあることを
吐き出す泡の数や
ひれの動かし方
それを金魚は 個性と思い
それをみんなは 違いと思った
眠る場所が 離れてるだけ
泳いでいれば
仲間と交わす こんにちわ
ちょっと少ない泡も
ちょっとせわしいひれも
今では誰も 目に留めない
それで金魚は 安心し
それでみんなは 確信した
浄化され
静かで 穏やかな
どこかの狭い水槽の中
赤く 小さく
夜店の中では
きっと区別がつかないくらい
仲間たちと泳ぐ毎日
ただ金魚は 知っていた
自分とみんなの間に
微妙な水の厚さがあることを
吐き出す泡の数や
ひれの動かし方
それを金魚は 個性と思い
それをみんなは 違いと思った
眠る場所が 離れてるだけ
泳いでいれば
仲間と交わす こんにちわ
ちょっと少ない泡も
ちょっとせわしいひれも
今では誰も 目に留めない
それで金魚は 安心し
それでみんなは 確信した
浄化され
静かで 穏やかな
どこかの狭い水槽の中
2006.10.22
レニの愛的論
たとえば
一つの大きな鉢に咲かすより
小さな花を 畑に咲かす
そしたら
寄りつく蝶々を
追い払わないかも しれないよ
守るだけじゃ つまらないもの
たとえば
一つの大きなボウルに注ぐより
小さなグラスを 並べて注ぐ
そしたら
素敵なメロディを
奏でられるかも しれないよ
抱えるだけじゃ 変わらないもの
こんな形も
愛と 呼べるなら
あなたの場所は いつもここに
一つの大きな鉢に咲かすより
小さな花を 畑に咲かす
そしたら
寄りつく蝶々を
追い払わないかも しれないよ
守るだけじゃ つまらないもの
たとえば
一つの大きなボウルに注ぐより
小さなグラスを 並べて注ぐ
そしたら
素敵なメロディを
奏でられるかも しれないよ
抱えるだけじゃ 変わらないもの
こんな形も
愛と 呼べるなら
あなたの場所は いつもここに
2006.10.20
路面電車の思い出
角ばった深緑は 古い方
明るい緑は 新しい方
やがて 水色や橙色の雲が描かれ
今は看板のように
車と並んで 電車が走り
たまに 線路の上を走る車
それを路面電車と呼ぶことを
中学時代に 知ったっけ
小さな駅にも 窓口があり
いつか 無人になった駅
セーラー服と初めての定期券を
高校時代に 持ったっけ
かつて 暮らした町
離れて 長い町
思い出す景色の中で
真っ先に横切っていく
曲がりくねった線路と
マッチ箱みたいな電車
明るい緑は 新しい方
やがて 水色や橙色の雲が描かれ
今は看板のように
車と並んで 電車が走り
たまに 線路の上を走る車
それを路面電車と呼ぶことを
中学時代に 知ったっけ
小さな駅にも 窓口があり
いつか 無人になった駅
セーラー服と初めての定期券を
高校時代に 持ったっけ
かつて 暮らした町
離れて 長い町
思い出す景色の中で
真っ先に横切っていく
曲がりくねった線路と
マッチ箱みたいな電車
2006.10.19
がたつき
二日後にくる 筋肉痛
三日消えない 打った痕
二時間すれば 滲む画面
三分目を閉じ がんばろう
たぶん増えてる 白い髪
毎朝鏡で 顔色チェック
右手はついつい 左肩
左手はすぐ 頬あたり
整理しても 忘れる頭
首を回して 考えよう
もしかしたら 心より
がたついている わたしの身体
ここまで一緒に 来たんだもん
伸ばして休んで 時には飾り
もう少し 行こうよね
三日消えない 打った痕
二時間すれば 滲む画面
三分目を閉じ がんばろう
たぶん増えてる 白い髪
毎朝鏡で 顔色チェック
右手はついつい 左肩
左手はすぐ 頬あたり
整理しても 忘れる頭
首を回して 考えよう
もしかしたら 心より
がたついている わたしの身体
ここまで一緒に 来たんだもん
伸ばして休んで 時には飾り
もう少し 行こうよね
2006.10.18
秋の午後
陽射しは ゆるいオレンジ色
まだ緑の葉に
ゆっくりでいいと 語るよう
あわてんぼうのひとひらが
わたしの手に 落ちてきた
追われない時間
風と走る 秋の休日
空は 淡い水彩絵の具
少し疲れた街を
同じだからと 包むよう
変わらないはずの景色が
わたしの目に 沁みてゆく
ほっとひと息
影だけ進む 秋の午後
まだ緑の葉に
ゆっくりでいいと 語るよう
あわてんぼうのひとひらが
わたしの手に 落ちてきた
追われない時間
風と走る 秋の休日
空は 淡い水彩絵の具
少し疲れた街を
同じだからと 包むよう
変わらないはずの景色が
わたしの目に 沁みてゆく
ほっとひと息
影だけ進む 秋の午後
2006.10.17
愛をひとつ
幸せだから 笑えるのか
笑うから 幸せになるのか
切ないから 泣けるのか
泣くから 切なくなるのか
強いから 歩けるのか
歩くから 強くなるのか
辛いから 止まるのか
止まるから 辛くなるのか
欲しいから 探すのか
探すから 欲しくなるのか
優しいから 愛されるのか
愛されるから 優しくなるのか
答えはひとつじゃないけれど
大きく笑って いっぱい泣いて
広く歩いて 長く止まって
激しく欲して 深く探して
誰かも わたしも
果てるまで愛していたい
笑うから 幸せになるのか
切ないから 泣けるのか
泣くから 切なくなるのか
強いから 歩けるのか
歩くから 強くなるのか
辛いから 止まるのか
止まるから 辛くなるのか
欲しいから 探すのか
探すから 欲しくなるのか
優しいから 愛されるのか
愛されるから 優しくなるのか
答えはひとつじゃないけれど
大きく笑って いっぱい泣いて
広く歩いて 長く止まって
激しく欲して 深く探して
誰かも わたしも
果てるまで愛していたい
2006.10.16
シルエット
夕闇が迫る山は
くっきりした シルエット
太陽は今ごろきっと
腰のあたり
残り火で 空を染める
色も見えない山に
さっきまで目にした顔が 浮ぶ
笑ったり
真面目だったり
わたしの顔は どうだろう
大きな山に映せるほど
優しかったろうか
少し思い出しては
シルエットに 飲み込まれた
くっきりした シルエット
太陽は今ごろきっと
腰のあたり
残り火で 空を染める
色も見えない山に
さっきまで目にした顔が 浮ぶ
笑ったり
真面目だったり
わたしの顔は どうだろう
大きな山に映せるほど
優しかったろうか
少し思い出しては
シルエットに 飲み込まれた
2006.10.14
涙の理由
読み返す本で 何度も泣ける
自分なら とは
身代わりで考えず
ただその心に 圧倒されて
繰り返す空で 何度も泣ける
あの時は なんて
懐かしさだけじゃなく
ただその色を 受け止めて
あなたの笑顔で 何度も泣ける
もしも とか
儚い期待は置いて
ただその足跡が 愛しく
涙は悪いものじゃない
自分なら とは
身代わりで考えず
ただその心に 圧倒されて
繰り返す空で 何度も泣ける
あの時は なんて
懐かしさだけじゃなく
ただその色を 受け止めて
あなたの笑顔で 何度も泣ける
もしも とか
儚い期待は置いて
ただその足跡が 愛しく
涙は悪いものじゃない
2006.10.13
創作活動
なんとなく おかしくて
じっと目を凝らせば
見えてきた 不思議な扉
3Dの絵のように
なんとなく 踏み入れて
そっと手を加えれば
できてきた 自分だけの形
粘土細工のように
扉の向こうは 工事中
完成は まだ遠い
できたところで 意味はない
誰かにとって 関係ない
でも ひとつあるとするなら
拓く色
重ねる色
陽の下に残せなくても
わたしの色を 創っていたい
じっと目を凝らせば
見えてきた 不思議な扉
3Dの絵のように
なんとなく 踏み入れて
そっと手を加えれば
できてきた 自分だけの形
粘土細工のように
扉の向こうは 工事中
完成は まだ遠い
できたところで 意味はない
誰かにとって 関係ない
でも ひとつあるとするなら
拓く色
重ねる色
陽の下に残せなくても
わたしの色を 創っていたい
2006.10.12
朽ちてまた
溢れ出す笑顔と涙で
心の土が 軟らかくなった
見たことない花が咲き
肩を抱く風に
欠片をまかせた
空を越え 季節を渡り
どこまでもなんて 思わないまま
どこまでかなんて わからないまま
朽ちた色すら気づかず
遠くの土に とけてゆく
残った欠片も
ここで土に還るけど
暖かさを残す場所に また
初めての花が咲く
新しい風が吹く
心の土が 軟らかくなった
見たことない花が咲き
肩を抱く風に
欠片をまかせた
空を越え 季節を渡り
どこまでもなんて 思わないまま
どこまでかなんて わからないまま
朽ちた色すら気づかず
遠くの土に とけてゆく
残った欠片も
ここで土に還るけど
暖かさを残す場所に また
初めての花が咲く
新しい風が吹く
2006.10.12
別のお話
アンテナを立てながら
歩いてく物語
ひとつじゃなくて 多い方がいい
いつか読んだ
赤がね色の本のように
サヨナラを言えないまま
続いてく物語
終わりじゃなくて 抜けるのはわたし
名を思い出し
託した少年のように
それもいいじゃない
もし 別れ道まで戻れたら
しばらく一人で歩いていよう
もし 迷ってしまったら
ここから別の物語を
歩いてく物語
ひとつじゃなくて 多い方がいい
いつか読んだ
赤がね色の本のように
サヨナラを言えないまま
続いてく物語
終わりじゃなくて 抜けるのはわたし
名を思い出し
託した少年のように
それもいいじゃない
もし 別れ道まで戻れたら
しばらく一人で歩いていよう
もし 迷ってしまったら
ここから別の物語を
2006.10.10
ごちそうさま
青白い輪の上に
ジュン
ジュン
水滴が落ちる
一定のリズムで
バオ
バオ
炎が驚いてる
底が歪な アルミ製
蓋だけ可愛い トマト柄
長い間 ありがとう
ほんの1ミリ ない亀裂
もう冷たい 片手鍋
長い間 ごちそうさま
ジュン
ジュン
水滴が落ちる
一定のリズムで
バオ
バオ
炎が驚いてる
底が歪な アルミ製
蓋だけ可愛い トマト柄
長い間 ありがとう
ほんの1ミリ ない亀裂
もう冷たい 片手鍋
長い間 ごちそうさま
2006.10.09
月への階段
月を探して
手を繋ぎ 登る階段
冷たい手に 伝わった温さ
もう少し
それは 建物の向こう側
輝く余韻だけが 空に映る
月を探して
手を引かれ 登る8階
速い息に 被さった笑顔
ようやく
それは 8階の切れ間
滑らかな表面だけが 白く浮ぶ
まるで 波に透ける一粒の真珠
月までの階段
あるなら登りたいね
月の手ざわり
すべすべの葡萄かな
そんな想いで
月に負けない 君の頬を包む
手を繋ぎ 登る階段
冷たい手に 伝わった温さ
もう少し
それは 建物の向こう側
輝く余韻だけが 空に映る
月を探して
手を引かれ 登る8階
速い息に 被さった笑顔
ようやく
それは 8階の切れ間
滑らかな表面だけが 白く浮ぶ
まるで 波に透ける一粒の真珠
月までの階段
あるなら登りたいね
月の手ざわり
すべすべの葡萄かな
そんな想いで
月に負けない 君の頬を包む
2006.10.07
朝の虹
大きく 丸く
空にかかる虹を見た
はっきり くっきり
西の山に虹を見た
青い空に虹なんて
本当はきっと ありえない
くすんだ雲の合間こそ
七色を見せる
恥ずかしそうで
誇らしそうで
わあわあ にこにこ
みんなで虹を見た
儚げな笑顔を溶かし
現われた太陽も
また 嬉しくて
空にかかる虹を見た
はっきり くっきり
西の山に虹を見た
青い空に虹なんて
本当はきっと ありえない
くすんだ雲の合間こそ
七色を見せる
恥ずかしそうで
誇らしそうで
わあわあ にこにこ
みんなで虹を見た
儚げな笑顔を溶かし
現われた太陽も
また 嬉しくて
2006.10.06
おかえりを抱きしめて
やっと雨が上がったから
喜んで駆けて来る夕暮れ
遅くなってしまったから
焦って駆けて行くわたし
こんな日に限って
少し遠い店まで 買い物忘れ
今日の空は 迷彩模様
灰色と混ざりあう薄紅が
丸く 暖かく
そんな夕暮れとすれ違い
ドアを開け
声ごと抱きしめた おかえり
喜んで駆けて来る夕暮れ
遅くなってしまったから
焦って駆けて行くわたし
こんな日に限って
少し遠い店まで 買い物忘れ
今日の空は 迷彩模様
灰色と混ざりあう薄紅が
丸く 暖かく
そんな夕暮れとすれ違い
ドアを開け
声ごと抱きしめた おかえり
2006.10.05
ときどきクリア
お気に入りのセーター
畳んで 棚に並べるように
ときどき整理が必要
飲み口の欠けたカップ
諦めて 捨ててしまうように
ときどき思い切りが必要
あなたからのプレゼント
眺めて また箱になおすように
ときどき確認が必要
一日中続いた雨
流して 埃を払うように
ときどきリセットが必要
ほっておけば 汚れていくばかり
見えないけれど
この体と同じくらい
戦っている わたしの心
畳んで 棚に並べるように
ときどき整理が必要
飲み口の欠けたカップ
諦めて 捨ててしまうように
ときどき思い切りが必要
あなたからのプレゼント
眺めて また箱になおすように
ときどき確認が必要
一日中続いた雨
流して 埃を払うように
ときどきリセットが必要
ほっておけば 汚れていくばかり
見えないけれど
この体と同じくらい
戦っている わたしの心
2006.10.04
花園
ねえ ここは花園
秘密ではないけれど
きっと 埋もれているから
わたしの場所を 守りたい
ねえ ここは花園
待つ理由はないけれど
そっと 振り返ったら
わたしの花を 探したい
ねえ ここは花園
夢に過ぎないけれど
いろんな 言葉をかけながら
わたしの色を 放ちたい
ねえ ここは花園
ささやかに狭いけれど
いつか 咲き溢れるように
わたしの心を 注ぎたい
秘密ではないけれど
きっと 埋もれているから
わたしの場所を 守りたい
ねえ ここは花園
待つ理由はないけれど
そっと 振り返ったら
わたしの花を 探したい
ねえ ここは花園
夢に過ぎないけれど
いろんな 言葉をかけながら
わたしの色を 放ちたい
ねえ ここは花園
ささやかに狭いけれど
いつか 咲き溢れるように
わたしの心を 注ぎたい
2006.10.03
月と君
真南に 午後5時の月
空に透けて
ベールを被せたアメジスト
雲と紛れそうなのに
君は 見つけたね
並んで走る 小さな影
少し東に 午後6時の月
くっきり浮んで
眩く動じない白
命を宿したような姿に
君が 重なってゆく
並んで走る 長い影
欠けて満ちるたび 長い影
空に透けて
ベールを被せたアメジスト
雲と紛れそうなのに
君は 見つけたね
並んで走る 小さな影
少し東に 午後6時の月
くっきり浮んで
眩く動じない白
命を宿したような姿に
君が 重なってゆく
並んで走る 長い影
欠けて満ちるたび 長い影
2006.10.02
雨は砂時計
夜の間 続いた雨は
無口な砂時計
なすがまま 落ちてゆく
掴みきれない細かさを
寂しく 笑うように
わたしは 眺めるだけ
大事な物が混じっていても
この指じゃ 足らない
朝のうち 去った雨は
カラの砂時計
気づかぬまま 色を残す
拭いきれない未練で
うっすら 染めるように
わたしは 翳すだけ
あなたの欠片が見つかっても
この指じゃ 届かない
無口な砂時計
なすがまま 落ちてゆく
掴みきれない細かさを
寂しく 笑うように
わたしは 眺めるだけ
大事な物が混じっていても
この指じゃ 足らない
朝のうち 去った雨は
カラの砂時計
気づかぬまま 色を残す
拭いきれない未練で
うっすら 染めるように
わたしは 翳すだけ
あなたの欠片が見つかっても
この指じゃ 届かない
2006.10.02
伝えたい手
手は いろんなことができる
ペンを 持つ
想いを 形作る
一輪の花を 渡す
砂浜の貝殻を 拾う
暖かさを 伝え合う
そして 満たされない手は
誰かを 傷つける
受けてしまったあなたは
その手に今 なにを握るのだろう
痛みが蘇ったら
心を包もうと 伸ばされた多くの手
ガンバレと 掲げられた多くの拳
どうか 思い出して
ペンを 持つ
想いを 形作る
一輪の花を 渡す
砂浜の貝殻を 拾う
暖かさを 伝え合う
そして 満たされない手は
誰かを 傷つける
受けてしまったあなたは
その手に今 なにを握るのだろう
痛みが蘇ったら
心を包もうと 伸ばされた多くの手
ガンバレと 掲げられた多くの拳
どうか 思い出して
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