アクセス解析
レンタル掲示板
2006.11.29 好き嫌い
ごめんね
あなたが 苦手なの

食べられるよ
5月のような 緑色
光を受けた つややかさ
お皿の中で 引きしまる彩りも
好きだけど

食べられるよ
若肌のような 弾力
包丁をあてて いさぎよい音
手の中で 軽くおさまる感じも
可憐だけど

おいしいと 思えない
ただそれだけの理由
いらないと 思わない
ただ構えてしまう存在

ごめんね
ピーマンは 苦手なの
2006.11.27 雨の一日
ガラス窓が 暗く
外は 昨日と同じまま
上からの囁きも
届かない朝

太陽が 薄く
空は 朝と同じまま
はるか西の山も
包みこむ昼

一日が 早く
雨は 昼と同じまま
にぎやかな傘も
咲き疲れた夜

みんな濡れる
みんな霞む
小石は輝く 雫の衣で 
2006.11.26 香りと色
覚えておくには 多すぎる
曖昧な香り
薄く煎れたコーヒーも
わかるくらいの 淡さでいいのに

選ぶには あまりに迷う
まとまりない色
少し寂しい白マスが
残るくらいの パレットでいいのに

濃くなってゆく
香りが 色が
それぞれを 呼び寄せて

持ってなかった 華やぐ香り
使ってなかった 鮮やかな色
ひとつでも掴めたら
わたしの道が 喜ぶはず

それは きっと
幸せなんだ
ブランコが 似合いそうな
滑り台だと 気持ちよさそうな
シーソーなら 楽しそうな

くり抜いた プリンのような
刻んだ 檸檬ピールのような
かじった ポテトのような

後ろ姿の 頬みたいな
暗闇の しっぽみたいな
左足の 傷痕みたいな

影を忘れて
追いかける月
寒さを忘れて
回る自転車

急ぐ気持ちが
少し緩む 帰り道
2006.11.22 同じ時を
誰もが乗る 時の波

誰もが聞く 時の声

誰もが歌う 時のメロディ

あなたが乗る 時の舟

君が聞く 時の風

わたしが歌う 時の色

時計を好きに 回せても

なにかが変わるわけじゃない

あなたの花を 羨んでも

わたしの土は 固すぎて

君の背中を 見つめていても

歩幅の違いで 遠ざかる

だけど わたしの景色を彩って

同じ時に 生きている
2006.11.20 もう少し
あと5分
あれば わたしの朝も
ゆっくりなのかな

あと10点
取れば 君の未来も
別向くのかな

あと500円
かければ 今夜の食事も
豪華なのかな

あと1日
休めば 部屋の色も
片つくのかな

キリがない
あと少し もう少し
届けばまた
あと少し もう少し

選んでいる心
やりくりする時間
これ以上だと 溢れるのに

あと少し もう少し
望みと言うより わたしの言い訳
2006.11.18 冬の準備
不安そうに 曇りながら
やがて静かな雨

さっきまで
晴れていたのに
いつもなら
降る前は暖かいのに

久しぶりに 運転しながら
行き着いたお店

どこまでも
走りたい気持ちと
ここまでが
何事もない安心と

呼ぶように 飾られながら
放つクリスマス色

ぬくぬくの
敷物を選ぶわたしと
ゆらゆらの
オーナメントを持つ君と

寒い季節を準備する日
白い行事を浮かべる日
どうして心だけ 暖かい
今年もまた

新しい葡萄で 作られたお酒

採れたては

果実やお米が おいしいように

違いなんて

わからなくても 生き生きした味

だけど柔らかい床に

漬けた野菜が おいしいように

引き出す方法は

いくつなんて 限りない

若さは 美味しい時間

老いもまた
2006.11.16 金色シンバル
両手で円を描くように
力いっぱい 華やかな音
小さな体を駆けるように
ぐるり一周 波うつ余韻

その大きさに驚いて
月の方が小さく感じた 幼い目

その重さに驚いて
わけもなく励ました 幼い手

鈍い金色シンバル
出番は最後 一度だけ

曲名は なんだったろう
あやふやな思い出と
今も蘇る たしかな姿

その役どころに喜んで
音楽会を心待ちした 幼い胸

その張り切りに逆らって
高熱を出した 幼いわたし

鈍い金色シンバル
出番は微妙 一人だけ

あの日は どうなったろう
鈍い金色シンバルと
むらさき組の 女の子
2006.11.14 空の涙
空だって 涙する時がある

気紛れに姿を変える 季節の風
怒ってるかもしれないし
あの子の手を離れた ピンクの風船
悲しく思うかもしれない

そろっと入った小さな埃
痛いのかもしれないし
もくもくと出た紫の煙
しみるだけかもしれない

できるなら
綺麗な顔を見せたいのは
わたしも同じ

できるなら
笑顔を返して欲しいのは
わたしも同じ

空の涙は
きっと 青さを守るため
向こう側 晴れた顔を守るため
2006.11.13 似たもの同士
首を冷やしちゃいけないと
今年初めて タートルのシャツ
紫色のコットンで
着心地だけが とりえのシャツ

それにしても苦しいと
何気に触れた タートルのシャツ
着間違えて
前が縫い目の ヘンなシャツ

帰ってから君を見ると
自分で出した トレーナー
青とグレイのコットンで
少し縮んだ 可愛いトレーナー

あれ なんだかおかしい
後ろに深く 開いたトレーナー
あれ もしかして
君も逆で そのままのトレーナー

同じ日に 同じ間違い
自慢できない間違いも
ちょっと笑える 夕ご飯前
2006.11.11 風邪
頭の中は 霧の山
シンシン サーサー
喋っていても
音がない 今日のわたし

喉の奥を 木枯らし
コンコン ヒューヒュー
黙っていても
騒々しい 今日のわたし

千変万化 増える仲間
意気揚々 駆け巡る
ひと通りからかって
気が済むまで

だけど
そっちの都合は 聞けないわ
あと一日 待ってあげる
だから
わたしから出てけ
風邪のウィルス
2006.11.09 お弁当
いつもの四角いお弁当箱
白 赤 緑 黄
ところ狭しと詰めこんで
ついでに ちょっと
おまじない

昼休み 誰かと笑って
食べますように

二段で小判のお弁当箱
白 赤 緑 黄
量を少なく詰めこんで
ついでに ちょっと
おまじない

昼からも 元気いっぱい
歩けますように

もらいもののお弁当箱
白 赤 緑 黄
みんなの残りを詰めこんで
ついでに ちょっと
ご苦労さん

時間通り 間に合って
さぁがんばろう

形が違う 場所が違う
三つのお弁当
だけど おかずはお揃い

言葉はなくて かまわない
ほんのりと
笑顔が漂うお弁当箱
帰ってきたら それでいい
2006.11.08 記憶の絵の具
きっと 最初の色と違うんでしょう

暖かい陽だまりの床

褪せていくように

気づかないだけ

わたしの記憶という絵の具

塗り足しているんでしょう

きっと 元の形と違うんでしょう

新しい車のブレーキ

慣れていくように

あたり前なだけ

わたしの時間という絵の具

重ねていっているんでしょう 

たとえ 色や形が変わっても

あの日の鮮やかさ

絵の具に溶けているんでしょう
2006.11.07 木枯らし
無茶苦茶に 弾ける風が
葉を 雲を
散らしてゆく
堂々と胸を張りながら
一目散で冬へ

最後の一目まで
ほどけた爽色
そして
町を編む 暖色の毛糸

賑やかに 跳ねる季節が
君を わたしを
誘ってゆく
冷える手を握りながら
まっすぐ冬へ 

最初の一吹きで
掴まれた首筋
そして
襟を立てた 木枯らしの朝
2006.11.07 ひとり旅
眠れないまま 明けた夜
冴える頭で 押したドア

駅は 目覚め前
朝日に 追われる電車
降りてから
またいくつ 乗り換えただろう

あんなに遠く 感じていた
こんなわたしが ここに居る
体いっぱい投げ出して
いつか あなたが見た景色に
あなたが生まれた町に

海風が 近かった
わたしは 夕闇と急ぐ
この絵の中に溶け込んで
いつも 心を飛ばせるように
帰れなくなる前に

あれは 11月の曇り空
戻った町は 再び眠りの中
2006.11.06 アイロン
力を込めて 押し当てる
必要以上は 要らないけれど
弱すぎちゃ 役に立たない

水を入れて 気化する感じ
涙だったら シミになるから
無色透明 汲みたてで

しわくちゃの 水色シャツ
アイロンがけで 伸ばすように
わたしの心のストライプ
真っ直ぐに なるのかな

微妙な力強さと
からさの抜けた水

わたしにそれが あったなら 
2006.11.05 明日こそ
寝ぐせで揺れる髪と
遊んだ体に 優しい疲れ
そんな君だけ 見た日を過ぎて
明日こそ
強く手を繋ごう

夜更かしの頭と
呼ぶ音に 力ない指先
そんなわたしだけ 動かした日を過ぎて
明日こそ
熱いコーヒーを飲もう

起きぬけの滲む光と
疲れた目に 眩しい月明かり
そんな空だけ 見た日を過ぎて
明日こそ
高い太陽を仰ごう
2006.11.04 夜から朝へ
ひんやりした枕に
洗ったばかりの髪
しゃらん
音をたてる

少し 窓を開け
夜に触れる
黄色い月は
欠けた影を取り戻し
まもなく もうひとつ
生みそうなくらい

届くには 遠すぎるけど
たしかに見える
覆われる時も あるけど
いつも照らす
あなたのように

心の声を並べたら
そのまま 狭間の夢に漂う
2006.11.02 繋ぐ記憶
見つめる目も 包まれる腕も

あたり前に思ってた

気づかなかった わけじゃない

ただ幼くて

それを力に変えられなかった

今も 淡い色だけど

わたしの体に 心に

刻まれた記憶

大人になって やっとわかった

愛されていたしあわせ

今も 儚い形だけど

君の体に 心に

残したい記憶

君を抱きしめて やっとわかった

愛するしあわせ


掴めなくても

彩り 触れられる時がくる

それまでどうか 歩いていて
2006.11.01 カレンダー
残りは 2枚
薄いカレンダー

今年こその決意も
10ヶ月の出来事も
一緒にめくられ 消えていった

数え切れる日数と
忘れてしまう日常を
同じテンポで 繰り返してきた

残りは 2枚
寂しげなカレンダー

真っ白いマス目で
真新しい12枚を
その下に